<福島第1原発>2、3号機の復水器は満水…汚染水移せず

2011年03月28日(月)13:53
島第1原発1~3号機のタービン建屋地下で高い放射線量を出す汚染水が見つかった問題で、東京電力が当面の排水先として予定していた復水器が、2、3号機ではほぼ満水になっており、現状では排水できないことが28日、わかった。【酒造唯】

【図解でわかる】原発被災

 東電は、まず復水器にたまった水を別の場所へ移送し、その後に汚染水を復水器へ排水することを検討している。しかし、復水器内の水を移送するための仮設ポンプを新たに設置しなければならず、汚染水のために滞っている電源復旧作業はさらに遅れる見通しになった。

 復水器は、タービンを回した蒸気を海水で冷却して水に戻す巨大な装置。1号機が1600トン、2、3号機は3000トンの蒸気から戻った水を貯蔵できる。

 1号機は復水器の容量に余裕があったため、25日から汚染水の排水作業を開始し、27日には1台だった排水用ポンプを3台に増強して作業を進めている。2、3号機の復水器が満水になっている理由について東電は「原子炉が急激に停止し、復水器の水を排出するためのポンプの電源も止まったため」と説明している。新たな排出先としては、淡水をためている復水貯蔵タンク(二千数百トン)などを検討している。

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